さざなみは本日仕事納め。
在宅生活を支えるため、必要性に応じ、一部現場は動き続けますが、一応の締めくくりとなりました。
さざなみにとって2024年は大きな変革の年。
1月1日の事業承継に伴う代表者・法人名称の変更、就業環境をよくする為の様々な取り組み、4月には介護報酬改定のタイミングも重なり、抱える課題がそれぞれ大きく深く、フルスロットルで駆け抜けたような一年でした。ブログを書くところまで辿り着けず、久々の投稿となりました。
ロゴと理念を新たにし、スタッフみんなで共有した昨年の12月から丸一年。自分たちの仕事に背骨が通ったような、一番星をみんなで見つめるような、そんな場面が多くあったような気がしています。この一年も多くの出会いや別れを経験することとなりました。
私自身、新米経営者として一ヶ月目、2024年1月に大きな出会いがありました。少しだけ、お話しさせてください。
それは強烈な出会いで経営者としての自分、介護事業所としてのさざなみのあり方を強烈に引っ張り上げられるようなインパクトとなりました。
その人は私の5歳上、ケアマネジャーとして、介護経営者として働く傍ら、業界団体を創設、運営し、地方議員としても活動をした雲の上の人。5年ほど前に受けた研修で目から鱗の体験をし、ケアマネジャーとしての実務、事業所の運営に役立ててきました。介護保険制度についての考え方もその人の影響を濃く受けています。「介護保険は介護を受ける人のため、介護の仕事をする人のため、法令を真の意味で正しく捉え、守るべき法令があるのであれば可能な限り簡単にクリアし、本当に価値のあることのために時間を使うべきだ。」
1年ほど前に病を得ていたことは聞いていましたが今年1月、「今年の桜は見れない」残された時間が限りなく少ないと知りました。
どれほど彼に影響を受けているか、感謝しているのか。業務の組み立て方や仕事の考え方、法令への向き合い方。事あるごとにスタッフに語っていたところ、「そんなに感謝しているのであればそれを伝えたらどうですか?」と。なるほど、、会を通じメールで感謝のメッセージを送りました。
「もし時間が作れるのであれば、自宅で本人に直接伝えてみてはいかがでしょう。その方が本人も喜びます。ただ、あまり時間がなく話ができるとしても今週か来週までと思います。」
???
面識はありません。オンランセミナーの講師と受講者の関係。
このタイミングのそれほど比重の高い時間を自分が貰っても良いものか…。
、、断る選択肢はありません。何かの縁で導かれたこと。1月25日、自宅に訪問。負担の少ないよう、感謝を伝え短い時間で退室しようと考えていました、、が、、結果的には2日間に渡り、計5時間の対話となりました。
経営者としての覚悟、地域の介護を担う一人として、リーダーとしてのあり方。
全然まだまだできる こんなもんじゃない もっともっと良くなる やるべきことをやり切ってないから行きたいところに辿り着いていないんだ 悩んだらとにかくシンプルに考えろ
彼の体は動きません。上半身の体勢を変えるには痛みに叫び声をあげ、介助を受けなければなりません。しかし初めましての瞬間から、私のこと、鋸南町のことを知っています。初対面の私にまっすぐ向き合おうと病床で準備をしてくれていました。
彼から託されたものは多く、ここでは伝えきれません。その時のことを彼も文章に残してくれていました。「人生でたった数時間の付き合いだったけど、時間が全てでないこともある。俺が人生で背中押せるのはお前が最後、お前がここに飛び込んできたんだ」、、、結局彼はその後も色々な人の背中を押し続け、桜もしっかりと楽しみ、2024年4月29日に逝去されました。
一燈照隅万燈照国(いっとうしょうぐうばんとうしょうこう)
彼のメッセージは我々を焚きつけ、それぞれの地域を良くするためのエネルギーとなります。
さざなみのスタッフにも12月の年次報告会でこの出会いについて話をさせていただきました。みんなに伝えようと思ったのはこの出会いなくしては今季達成したものには辿り着けなかったと考えているから。
そんな出会いを経て営まれたこの一年のさざなみのケア。
一人一人が日々照らしている、一つ一つの小さな暮らしの支援、共に過ごす営みの時間がとても眩しく、嬉しく感じています。
ロゴに表現された光を。
もし誰かの光が今、埃をかぶっていたとしても。目を凝らし、こちらが希望を持って走るのでなく、その人の元々持っている光を見つめること、その感性によって希望の光が感知される。自分たちはそれをケアの第一歩としたい。
そんな話をした2024年の年末。
私は今生きています。動かないんなら変わってよ。彼にそう言われないよう、来年も気合を入れて走ろうと思います。そして本年の起こったことの全てに感謝します。皆様にとっても来年が良い年になりますよう、鋸南町の片隅から祈っています。
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